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パチンコ釘問題などに言及/警察庁・大門課長補佐講話

投稿日:2015年11月18日 更新日:

しかしながら、本年1月の全日遊連に対する行政講話に端を発し、再三に渡りこのくぎの問題を是正するための業界を挙げた取組をお願いしてきましたが、遊技客が遊技をする時点の遊技機性能において、一体何が改善されたのでしょうか。また、改善という結果までいかなくとも、今後の是正策としてどのような具体策や方針が示されたのでしょうか。

行政からうるさく指摘をされないようにするには、どの程度、一般入賞口に玉が入ればいいのか、ホールもメーカーもそのことばかりに気を取られているのではないか、業界の今年の動きを見るに、そのように考えざるを得ません。

行政が求めていることは、至極当然のことですが、検定機が検定機の性能のまま遊技客が遊技できる環境にするということであります。そのためには、検定機の性能のまま営業所に設置され、その状態が継続して維持される営業環境にする必要があります。一般入賞口に何個入ればいい、というレベルの話ではありません。

この当たり前のことを、今後のくぎ問題の是正を考える際の前提とするよう、考え方を改めていただくことが、今回当庁から要請した遊技機の回収・撤去を実現する出発点とすべきではないでしょうか。この前提に立たない限り、いくら業界を挙げた回収だと声高に叫んだところで、今後もお茶を濁すような対応が繰り返されるばかりで、状況の改善が進むことは期待できません。

例えば、メーカー側が、今後の適正な遊技機を製造・販売するに当たり、営業所に設置される時点において、ベースが30であれば問題ないだろうと考え、保通協試験時には40や50で試験を通したものを、販売時に30にして出荷するというのでは、検定機の性能を逸脱した状況の改善は見込まれません。

また、ホール側においても、推進機構の調査をすり抜ければ問題ないと考え、ベースが50のものを、くぎを曲げて10や20に変更するというのでは、やはり状況が改善されたことにならないのは、言うまでもないことであります。

他店との競争にさらされている中で、今までやらずに済まされていた適正な遊技機の製造・販売や、適正な営業を行うことは勇気のいることであり、リスクも伴うことであると思いますが、そのことを理由に、問題の棚上げをしているようでは、今後の業界の健全化はおろか、業界の発展も見込めないのではないかと思います。

そのような営業所単位での状況改善が困難な状況であるからこそ、業界団体としてできること、しなければいけないことがあるはずで、それらは探そうと思えば見つけていけるはずであります。

例えば、日工組の表明した「検定機と同一性能の遊技機の出荷」が実現するためには、そのような遊技機をホールが購入していく姿勢を示すことが前提となりますが、それに当たり、各ホール関係団体において、ホールがどのような遊技機であれば購入していけるのか、その具体的な条件を真剣に検討した上で、日工組に依頼することもできるのではないでしょうか。

また、ホール関係団体において、検定機の性能を逸脱した遊技機は今後購入しません、と表明することも、メーカーの適正な販売を促進し、適正な遊技機に入れ替えていく土壌を整えることにもなるのではないでしょうか。

そもそも、なぜ、検定機の性能を逸脱した遊技機が市場に出回るのか。営業利益に対する貢献度の高い遊技機としてホールが欲し、その要望に答える形でメーカーが製造する、そういった構図があるのは否めません。

残念なことですが、推進機構の遊技機性能調査が始まった6月以降においても、検定機の性能を逸脱した遊技機が営業所から少しも減らないばかりか、メーカーへの改善依頼が一つも聞こえてこない状況が、ホール側も検定機の性能を逸脱した遊技機を欲していることの何よりの証左であります。

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